書籍のご紹介

ヒューマンドキュメント・医療機器を開発した人たち
脳動脈瘤手術に革命をもたらした
「杉田クリップ」物語
「杉田クリップって何?」とお思いかもしれません。脳外科医なら誰でも知っている、脳動脈瘤手術に不可欠の医療機器なのです。1981年西ドイツ(当時)で開かれた世界脳神経外科学会において、故杉田虔一郎信州大学教授が発表した「杉田クリップ」は、世界の名だたる脳外科医を驚かせました。そして、そのクリップを杉田教授の指導のもとで開発した瑞穂医科工業のブースは今も語り続けられるほどの大人気を呼んだのです。
癌、心疾患とともに死亡率の高さで三大疾患といわれる脳血管疾患。とりわけ脳動脈瘤手術は緊急かつ精緻な医療技術を要します。開頭手術の場合は脳動脈瘤の根っこを特殊なクリップで挟み、瘤の中に血液が入っていかないように措置しますが、当然ながらクリップの性能は手術の成否に直結します。杉田クリップは、その優れた性能によって脳動脈瘤手術に革命的進歩をもたらしました。
本書は、この優れた医療機器を開発した杉田教授をはじめとする数人の脳神経外科医と、瑞穂医科工業の技術者たちのヒューマンな物語です。想像を絶する杉田教授の情熱、それを敢然と受けてたった開発技術者たちの匠の技、「完璧なものへのこだわり」精神をぶつけ合った開発までのドキュメントは、読者の心を揺さぶります。

『The Sugita Clip』
Innovations in Neurosurgery
「杉田クリップ」物語の英語版です。