そのときのまっすぐな目を忘れることができない
神様が人工心臓を入れるために空けておいてくれた場所
父母、兄妹が一致団結して構築した開発サポート体制
「現代版3本の矢」が照らす光
二五キロの重さでも息切れひとつしない
エッ、この人お医者さんなんだ
グッド・タイミング
特許出願から臨床試験まで一五年
血液ポンプに込められた「信州の名工」の技
もはやこれまでか、万事休す
自我がなくなるような瞬間に訪れる発想の転換
冒険心が自分らしさの一つではないか
自分が選んだ道はまちがいではなかった
ただの機械をつくってるんじゃない、命をつくっているんだ
人はウソをつくが、モノはウソをつかない

補助人工心臓は、患者の心臓をそのままにして、ポンプで血液を送り出す働きを助けます。現在はポンプを体内に置く植え込み型が主流となっていて、国産で植え込み型補助人工心臓の治験は、日本国内では初めての出来事でした。「エヴァハート」は、山崎健二医師が考案し、東京女子医大と早稲田大学理工学部、米国ピッツバーグ大学、サンメディカル技術研究所の共同開発のもとで生み出されたものです。
その開発・治験に携わった人びとの苦闘と情熱は、『知遊』誌上で2回にわたって『エヴァハート開発物語』として掲載されました。本書はそれを再編集したものです。