いつもみんなピーピー(PP)していた
毒素の有効活用への挑戦
医学者を魅了する毒素「エンドトキシン」
医学と高分子化学の融合
鳴りやまない夜中の電話
トレミキシン記念日
開発のドラマからみると、科学論文の方が虚構
国家プロジェクトでの失敗経験を生かす
初心を忘れない一徹な研究者魂
死の谷を越え、ダーウィンの海を泳ぐ
医工連携の最高モデル
遣り残した最終目的に向かって

「トレミキシン」は、敗血症に陥った患者を救う、世界初の血液浄化器です。開発されてから20年経つ今でも、同レベルの製品は未だにありません。この画期的な製品「トレミキシン」の開発は、小路久敬をはじめとする東レの繊維研究者と滋賀医科大学第一外科の体外血液循環研究チームが協力し、ひとり一人が地べたをはいずりまわるような努力を辛抱強く積み重ねることで、はじめて実現されました。
この開発プロジェクトに携わった多くの人々の苦闘と情熱は、『知遊』誌上で2回にわたって『トレミキシン開発物語』として掲載されました。本書はそれを再編集したものです。